豊島ミホさんの『花が咲く頃いた君と』を読みました。最近好きな作家さんの1人です。最初に知ったのは映画『檸檬のころ』の原作からかな。今回の『花が咲く頃いた君と』は短編集。どれもなかなか良かったのですが、最後に収められている「僕と桜と五つの春」は傑作、特にアイドルマニアにとっては。えげつないにもほどがある。「ここまでズタボロに男の心境を正しく描くことないじゃないか」ってぐらい。なんだろう、青春の鬱屈した気持ちと、アイドルマニアの鬱屈した気持ちというのは共通点があるのだろうか? 特に酷いのがラスト。あれは本当に酷くて素晴らしい。こんな素晴らしいストーリーを描くのはどんな年季の入ったアイドルマニアかと思ったら、実は若い女性なんですよね。いや以前から知っていましたけど、タイミング良く『ダ・ヴィンチ5月号』で写真を見て改めて驚きました。
- 作者: 豊島ミホ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 単行本
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豊島さんだと後は『リリイの籠』内の「ゆうちゃんはレズ」が好きです。こういう若々しく毒々しく鬱屈して爽やかな青春もの(なんじゃそら)が好きなのだな、僕は。
- 作者: 豊島ミホ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/12/14
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